味輝の味輝酵母

『味輝』はどうして酵母作りから始めたのか?

主な理由は2つ

・開業当時、無添加で作っている酵母がなかったから

・日本人に合うのはお米由来の発酵食だと思っているから

1973年に株式会社味輝の最初の芽が「ボァード・ブロニュー」でしたが、この当時市販の材料で完全に無添加のパンを作ることはほぼ不可能でした。その理由は酵母です

どの酵母にも添加物が含まれていたので、どうにかして無添加のパンを作れないか考えた結果自分たちで作ってしまおう!という結論に至りました。

そこからは失敗の連続でしっかりとした形になったのはそこから10年後、1983年の11月、冬の始まりを感じる頃でした

それでもパン作りは安定せず、たくさんの改良と実験、研究を繰り返してきました

その実験と研究は酵母作りだけに限らず「小麦粉の配合」や「パン生地の発酵時間」、「捏ねる時間や焼く時間」など多岐にわたります。

日本では昔から米麴を利用して作る発酵食品が食べられてきました

代表的なのは味噌や醤油、日本酒です。この米麴による発酵(酵素分解)で作る旨味香り安心感美味しいと感じる方が多いです

ここに着目しお米を使った酵母でパンを作ろうと私たちは考えました

確かに酵母を作る他の選択肢としてブドウやリンゴなどもありますが、米麹の甘味や旨味、香りは米麴にしか出せないものがあります

味輝酵母って何?

味輝酵母は株式会社味輝が独自に実験と研究を繰り返して作ったお米由来の酵母です

お米から米麴を作り、米麴から甘酒、甘酒から味輝酵母という工程でできています

お気づきの方もいるとは思いますが、

これらの製法は日本古来から続く日本酒の作りと非常に似ています

味輝酵母を開発するにあたって参考にしたのがこの醸造の技術であり、味噌や醤油などの米麹の発酵を利用して作る技術です。そのため、鋭い方はパンからお米や米麹のような香りを感じることができます。

味輝酵母の製法

味輝酵母はできるまでに約1カ月かかります

・器具の洗浄に約1週間、水汲みに2日

お米から米麴にするのに約1週間

・米麹から甘酒にするのに1日

・甘酒から味輝酵母にするのに約2週間

・お米を米麹にする工程

①洗米 ②米を蒸す ③粗熱取り ④糀菌をまぶす ⑤床もみ ⑥ひとまとめにして寝かせる ⑦木枠に平たく伸ばし発酵 ⑧木枠を増やしさらに薄く平たく伸ばし発酵 ⑨さらに薄く伸ばして発酵

米麹を作る工程は少し複雑ですがこのような感じになります

米麹は酵母作りでは非常に重要な要素で味輝酵母を作るのに適した糀菌を京都の『もやしやさん』で味輝用に用意してもらった菌を使って作っており、

市販の米麹を使わず自分たちで作っている理由はこれになります

・米麹から甘酒にする工程

①洗米 ②米を蒸す ③蒸したお米とお湯、米麹を混ぜる ④温度を保持したまま発酵させる 

味輝の甘酒は糖度が非常に高く仕上がります

よく勘違いしてしまいますが米麹から作る甘酒はノンアルコールで、逆に酒粕などが入っている物はアルコールが入っています

この甘酒は『クーロンヌナチューレ』や『味輝天然酵母パン・柏の葉店』で飲むことができます

味輝パンの『タネ』の『タネ』なので、そこからパンになる想像をしながら飲んでみるのは贅沢なひと時かもしれません

・甘酒から味輝酵母にする工程

①甘酒を暖かい部屋で発酵させる ②毎日確認しながらその時に合わせてかき混ぜる

甘酒に何も入れずに味輝酵母にする工程は非常にシンプルですが、起きていることは非常に複雑です

大まかに説明すると最初に甘酒の中で乳酸菌と味輝酵母やその他の酵母菌が増えていきますが、

乳酸菌が出す乳酸の酸によってほとんどの乳酸菌や酵母菌は死滅してしまいます

一部の酸に強い味輝酵母が甘酒の中に残っている栄養を食べて爆発的に増殖し味輝酵母が完成します

こうしてできた味輝酵母から小麦粉などの材料と混ぜて約20時間かけてパンが出来上がります

パンの製法をもう少し詳しく知りたい方はこちら

味輝パンの一覧